【指定席】うれしートは本当にうれシート?

公共交通情報

うれしートは”安くて簡素”な指定席

JR西日本の京阪神エリアや広島エリアの快速列車などに設定されている座席で
最後部車両の後方区画を”のれん”で区切って指定席として販売しているサービスです。

広島地区の227系

京阪神エリアの221系・223系・225系もほぼ同一仕様になってます。
着席が保証されている以外は、他の自由席と全く同じで
新快速に連結されているAシートのようなリクライニング機能やWi-Fiはありません。
その分、値段も安くJR西日本の会員限定e5489「[快速うれしート]チケットレス指定席券」
だと300円で利用する事が出来ます。
みどりの窓口や駅の指定席券売機で購入する場合は通常期530円、閑散期330円となります。
そして注意する点は、車内では一切販売していない事です。
車内で利用したい場合は、その場でe5489経由で購入するしか方法はありません。

ロングシートの指定席は”かなしート”?

通勤型車両のロングシート(イメージ)

これまでうれしートは、クロスシートの車両が走行する線区に設定されてましたが
2025年10月からは学研都市線(片町線)・JR東西線・JR宝塚線(福知山線)を走る
快速の一部にもうれしートが登場しました。
しかし、これらの路線で使われている207系・321系車両は通勤型のロングシート車両である為
前代未聞のロングシートの有料指定席が誕生する事になりました!。
さすがにこれはないだろうと、一部では“かなしート”と揶揄されてますが・・・(笑)。
それでもラッシュ時に300円で確実に座れるのであれば
疲れている時などにはありがたい存在かもしれません。

207系車両

課題は一般区画との分離

何かと便利そうな”うれしート”ですが、
最大の問題は同一車両内に自由席区画が存在する事です。
下の画像をご覧下さい。

明石駅にて(筆者撮影)

左側がうれシート区画、右側が自由席区画です。
うれシートの設定がある列車は、まだそれほど多くはなく
一般客には浸透していない為か、最後部車両に知らずに乗り込んでしまうケースが
後を絶ちません。
空いてる指定席区画とぎゅうぎゅう詰めの自由席区画・・・
お互い気まずいですね(笑)。
やはり、うれシートを設定するのであれば最後部車両1両を全て指定席にした方が
無用なトラブルを避けられそうです。
全ての列車に設定した上で、ホーム上の乗車位置表示を目立つようにして
駅でも注意喚起を続けていれば利用者にも認識されるようになるのではないでしょうか。
一方でAシートは増発される気配は今のところありません。
Aシートは専門の改札要員を配置する必要がありますが
うれしートは最後部に設定する事で、車掌が販売状況をチェックするので
人件費コストが安く済みます。
昨今の人手不足や人件費高騰問題などから
今後もうれシートが拡大していく流れになるかと思います。
(終)

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