人口減少は深刻だけど、観光客で賑わってるようにみえる尾道を歩いてみた

都市訪問記(西日本)

尾道市は広島県の南東部、瀬戸内海に面した都市で人口はおよそ12万人。
古くから瀬戸内の海上交通の要所として発展してきた港町です。
しかし、地方都市の「人口減少」という言葉が、遠い場所の出来事のように感じられなくなる昨今。
尾道市もまた、例外ではありません。
山側に連なる空き家の問題や、若者の流出など、数字の上では厳しい現実を抱えています。

今回は、夏と冬に2度訪問した時の記録です。

玄関口、尾道駅の変貌

2019年に新しくなった尾道駅舎
かつての木造駅舎のイメージを一新。
モダンでありながら、どこか瀬戸内の凪を感じさせる開放的なデザインです。

駅を出てすぐの広場は、観光客で賑わい
街全体が「外からの人」を温かく迎え入れる準備ができていることを感じさせます。

駅前を見渡せば、歴史を感じる小さな神社と現代的なビルが共存する不思議な風景。
この新旧のコントラストこそが、尾道という街の魅力なのかもしれません。

駅から海沿いへと足を向けると、そこには鮮やかな光景が!。
海岸通りで開催されていたのは、カラフルなテントが並ぶマーケット
地元の特産品やハンドメイドの雑貨、そして漂ってくる美味しそうな香り‥
遠くには、しまなみ海道へと続く尾道大橋が見えます。
青い海、行き交う船、そして賑わう人々‥
この景色だけを切り取れば、ここが人口減少に悩む街だとは到底信じられません。

本通り商店街:新旧が混ざり合う「歩く楽しさ」

尾道の真髄は、やはり「尾道本通り商店街」にあります!。

アーケードに一歩足を踏み入れると、そこはまさにタイムスリップしたような
あるいは最新のトレンドに飛び込んだような不思議な感覚に陥ります。

  • 老舗の看板: 昭和の面影を色濃く残す洋品店や金物屋。
  • 新しい息吹: 古民家をリノベーションしたカフェや、感度の高いセレクトショップ。

シャッターが閉まったままの店舗も散見されますが
それをカバーする程、新しいお店が「自分たちの表現」を楽しんでいるように見えます。
「COFFEE BOY」や「BEAN’S」といった看板が並ぶ風景は
若い世代にとっても、かつての賑わいを知る世代にとっても
どこか居心地の良い空間を作り出しているように見えます。

街の機能を支える「新しさ」

商店街を抜け、さらに進むと現れるのが尾道市役所

客船のデッキを彷彿とさせるその外観は、海の街・尾道の象徴。
こうしたインフラの刷新からは、単に「守る」だけでなく
未来に向けてこの街を「存続させる」という強い意志を感じます。

尾道を歩き終え

一見、賑わいを見せているかのような尾道の”まちなか”ですが
一歩路地裏に入れば、崩れかけた石垣や、人の気配が途絶えた家屋があるのも事実です。
統計データが示す「深刻な人口減少」は嘘ではありません。

特にJR線より北側のエリアは空き家が目立ちます。
しかし、筆者が歩いた尾道は、確かに「生きて」いました。
外から来る観光客を拒まず、かといって過剰に媚びることもなく
自分たちの街の良さを淡々と、かつ誇りを持って発信している人たちがいます。
「人が減る」という抗えない大きな流れの中で、いかにして「街の魅力」を絶やさずにいられるか。
尾道の賑わいは、同じ悩みを抱える全国の地方都市にとって
一つの大きなヒントを提示しているような気がします。

坂を登れば絶景があり、道を歩けば猫と出会い、店に入れば温かい”おもてなし”がある。
皆さんも、今の尾道を、その足で確かめてみませんか?。
(終)

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